ソンクラーとは?
バンコクの南約950キロに位置するソンクラー県の県都で、一般には南部一の商都ハジャイの方がよく知られています。
内陸にあるハジャイが鉄道の開通以降交通、商業の中継点として急速に発展してきた一方、シャム湾に面したソンクラーは海上貿易の拠点として発展してきました。
19世紀に入って、ソンクラー湖の北側から現在の場所に街を建設するよう指示が出ると、周囲を城壁で囲んだ防衛に優れた街が作られ、街には中華風の建物が並びました。
地域の中心がハジャイに移ったことで過度な開発が行われることもなく、静かで趣のある街並みを今に伝えています。カメラ片手に歩くのが楽しい街ですね。
ソンクラーへの行き方
ソンクラーへは、南部の交通拠点あであるハジャイを経由してアクセスすることになります。ハジャイ中心部の時計塔横から、ミニバンで約1時間、料金は40バーツ程度です。乗り場付近に数台停車していますので、ソンクラー行きたいと言えば、次に出発するミニバンを教えてくれます。
ソンクラー側のミニバン乗り場は、時計塔近くの国道407号線沿いです。何台も停車しているのですぐにわかると思います。出発してしばらくは国道をゆるゆると走るので、途中から乗り込むことも可能です。
ハジャイまでは、飛行機や鉄道でバンコクと結ばれており、また、バスでタイ南部の主要都市や、マレーシア、シンガポールから直接行くことも可能です。
空港やバスターミナルからミニバン乗り場へ行く際には、ソンクラーへ行きたいと運転手にきちんと伝えましょう。多少、ルートから外れていても送ってくれるかもしれません。もしくは、ここで降りてあっちへ歩けぐらいは教えてくれます。
ソンクラーの観光地
中華建築の並ぶ旧市街
ラマ3世時代に建設されたソンクラーの旧市街には、多くの伝統的家屋が残っており、カメラを持っての街歩きが楽しい街です。端から端まで歩いても20分ぐらいなので、猛暑でなければ十分に歩き回れる範囲です。
旧市街城門と城壁
ソンクラーの旧市街(=城壁に囲まれていた)エリアは、南北1600m、東西600mと縦に長細い形状をしており、4隅には砦が配置され、10個の城門が設けられていました。
北側のチャナ通り沿いに数百メートルの城壁が現在も残されており、週末には目の前でナイトマーケットが開催され、多くの市民や観光客で賑わっていました。
東側は国道407号線、南側はカンペンペット通りです。湖に面した西側にはナコン・ノーク(街の外)通りとナコン・ナイ(街の内)通りが並行しているので、その間に城壁が築かれていたのでしょう。
南西角近くに中華風の城門が復元されていますが、これが実際にここにあったのか?オリジナルだったのかはちょっとわかりません。ただ、城門の向きが不自然なんですよね・・・。
ソンクラー国立博物館
城壁のすぐ北側に中華風の美しい建物が残っています。ソンクラー国立博物館です。ここは、19世紀後半のソンクラー副知事の邸宅で、その後、ソンクラー政府庁舎としても使われてきました。
今まで、タイ国内でいくつもの国立博物館を訪問してきましたが、博物館の建物自体が貴重な展示物になっているのは、バンコク国立博物館(副王の宮殿)とここぐらいだったと思います。
いくつかの展示室に分かれており、シンゴラ国の展示が特に興味深かったかな。また、日本軍のシンゴラ上陸作戦の展示もちょっとだけありました。
(大きな声では言えませんが)展示自体は正直、大したことないのですが、中華風の豪華な建物を見るのが楽しかったです。
ソンクラー国立博物館
営業時間:9:00 – 16:00 (月・火休館)
料金:外国人 150バーツ
古民家カフェ:Cafe Amazon
Cafe Amazonといえばタイを代表する国営石油会社PTTが運営する巨大コーヒーチェーンです。もともとはガソリンスタンド併設からスタートし、現在は海外にも進出していて、3000店舗以上あるらしいです。
さて、そんなどこにでもあるコーヒーチェーン店なんですが、ここソンクラー旧市街支店はちょっと特別なんです。
はい、旧市街にある中華風古民家を改装してカフェにしたもので、エアコンの効いた店舗を通り過ぎると、中庭の奥に別の建物があったり、塀にある出入り口を越えて隣の邸宅にも出入りできます。もう、どこを切り取っても絵になります。
料金は普通のCafe Amazonと変わらないので、格安でおしゃれカフェの雰囲気を味わえます。おすすめです!
ウオールアート
タイで古い街並みに行くとよく見かけるウオールアートを、ここソンクラー旧市街でも多数見ることができます。古い建物の壁をキャンバスにしての巨大な絵があちこちにあるので、カメラ片手に散歩しながらぜひ見つけてみてください。いくつ見つけられるでしょうか?
サミラビーチ
ソンクラーの街がいいなと思ったのは、街からビーチまで車で5分で行けること。なんなら僕は30分ほどかけて歩いて行ってきました。
汚い海に茶色い砂浜であれば他にもありそうですが、ここは青い海に白い砂浜が広がっています。僕が行った日はさらに真っ青な空。
サミラビーチが市民の憩いの場になっていて、人魚像(何か伝説があるのか詳細は知りませんが・・・)の西側にはシーフード店が並び、南に続くビーチ沿いにはカフェやバー、レストランが並びます。うらやましすぎます。
ただ、今から80年以上前の1942年12月8日には、日本軍によるシンゴラ上陸作戦が行われた地でもありました。上陸地点はここ!という記念碑なんかはありませんが、サミラビーチから南に長く続くビーチであろうと推察されます。
ここに上陸した日本軍が列車や自転車でマレーシア、シンガポールへと侵攻していくことになります。
旧ソンクラー駅
日本軍が上陸後すぐに占拠した旧ソンクラー駅が現在でもひっそりと残されています。
この駅は1913年に南線の終着駅として開業しましたが、陸上交通の中心がハジャイに移り、且つ、トラックやバスにとって変わられたため、1978年にハジャイまでの間が廃止となりました。
現在は、駅舎の一角が地元のおじさまが集まるカフェになっていたり、毎週1回鉄道市場が開かれたりしています。
シンゴラ要塞:カオデーン
ソンクラー市街地北にある船着場からフェリーに乗って対岸に渡ると、「シン・ナコン」という街に到着します。アユタヤの北にある「シンブリー」や、カンチャナブリにあるクメール遺跡「ムアン・シン」と同じ「獅子の町」を意味します。もっと有名どころでは、、、シンガポールも獅子の町ですね。
実はここに、「シンゴラ」とか「シンガプラ」と呼ばれる独立国があったんです。
シンゴラ国が築いた城壁や砦の遺構を今でも多数見ることができます。特に①、②、③から⑥については、数百メートルおきに砦の跡が山上まで続いています。
右側の半島がソンクラー市街地で、先端の南から西に伸びている点線がシンゴラ要塞(現在の町の名前はシン・ナコン)へのフェリーです。
ソンクラーの街からはバイクタクシーや自転車でアクセス可能です。
シンゴラ要塞で最も有名な場所は8番砦です。階段を5分ほど登った山の上からは、シン・ナコンの街、ソンクラー湖、そして、シャム湾を見渡すことが出来ます。絶景です。あっ、ソンクラーの街も遠くに見えますよ。
これは9番砦で、西洋の城塞を思い起こさせるような立派な砦で、中に入ることもできます。シンゴラ要塞のことを詳しく知りたかったら、事前にソンクラー国立博物館に寄ってから行くと良いと思います。
別記事でシンゴラ国と要塞について特集しているので、興味ある方はそちらを参照してくださいね。
ソンクラー観光のまとめ
今回はソンクラーの観光地を4ヶ所ピックアップしてみましたがいかがだったでしょうか?
タイ南部といえば、南の島やハジャイがクローズアップされがちですが、ここソンクラーもなかなか楽しい観光地で見どころ満載です。
見どころがコンパクトにまとまっているのも旅行者にはありがたいところ。
ただ、ハジャイを含むソンクラー県には外務省による危険情報をもているので、きちんと情報収集しての判断をお願いします。